介護職員の賃上げについて、厚生労働省が来年2~5月に実施する月6000円相当の賃上げを、2024年度介護報酬改定で6月以降も継続する方針を固めたというニュースを読んだ。
私は、介護職員の賃上げは必要だと思っている。介護職員は、高齢者や障害者の生活を支える重要な仕事をしている。しかし、その仕事は、肉体的にも精神的にも大変な負担がかかる。介護職員の平均年収は約300万円で、他産業と比べても低い。介護職員の離職率は約16%で、他産業の約2倍だ。介護職員の不足は、現場のサービスの質や安全性にも影響する。介護職員の不足は、高齢化社会の日本にとって、深刻な社会問題だと言える。
そんな中、厚生労働省が賃上げを決めたのは、評価すべきだと思う。しかし、その賃上げの額や方法には、疑問が残る。まず、月6000円相当の賃上げは、十分な額と言えるのだろうか。物価高騰を受けて、他産業では、もっと高い賃上げが続いている。例えば、コンビニエンスストアの大手チェーンでは、時給を100円以上引き上げると発表した。介護職員の賃金は、他産業と比べても、大きく引き離されている。月6000円相当の賃上げでは、介護職員の生活水準を改善するには、不十分だと思う。また、介護職員の仕事に対する評価や尊敬も、高めるには、不十分だと思う。
次に、賃上げの方法にも、問題があると思う。厚生労働省は、賃上げの原資を、補助金と介護報酬の処遇改善加算という2つの方法で分けている。補助金は、来年2~5月の賃上げ分の経費を、国が負担する。処遇改善加算は、介護報酬の一部を、介護職員の賃金に充てるというものだ。しかし、補助金は、一時的なもので、持続性がない。処遇改善加算は、事業所によって取得のための手続きが煩雑で、一本化するという見直し案が出されているが、それでも、事業所の裁量によって、賃上げの額や配分が変わる可能性がある。介護職員の賃上げは、一律に、かつ、恒久的に行われるべきだと思う。そのためには、介護報酬自体を、もっと大幅に引き上げる必要があると思う。
私は、介護職員の賃上げは、介護職員の不足を解消するための、最も重要な施策だと思っている。しかし、厚生労働省が決めた賃上げは、その目的には、適切ではないと思う。そんな安い賃上げで、人手不足は解消できないと思う。介護職員の賃上げは、もっと大胆に、もっと早急に、もっと公平に行われるべきだと思う。介護職員の賃上げは、介護職員だけでなく、介護を必要とする人やその家族、そして、将来の日本社会全体のためになると思う。介護職員の賃上げは、もっと社会的な関心や支援を得るべきだと思う。